パッとしない営業マンが経理に異動も…年収900万円の課長に昇進できたワケ《公式》
大塚和成です!!
営業時代は接待も多く、不規則な毎日だったが、現在は繁忙期以外、夕方には帰れるという。「年収増に負けないくらいの幸せです」と斎藤さんは頬を緩める
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◆「非花形部署」にこそ自分の値段を上げる好機あり
「20代の頃は今の会社に入ったことを何度も後悔していました」と笑うのは中堅広告会社に勤める斎藤雄介さん(仮名・41歳・広告・年収900万円)。新卒入社後は営業系の2部署を経験したのち、もう経理部に在籍して10年以上が経過した。
「好きで入った業界でしたが、はっきり言って自分には営業は向いていませんでした。成績はまずまずでしたが、適当なところがあっても声の大きい人が重宝されるようなカルチャーがまだあって、それがストレスだったのはよく覚えています」
20代後半に差し掛かったタイミングで転職も視野に入れたが、選んだのは社内での異動希望だった。
「営業の仕事はしっくりこない部分はありましたが、同僚や先輩にはいい人も多かったし、まずは社内で違う部署の仕事も経験してみたいと思い、異動希望を出しました。当初の希望は人事労務管理でしたが、結局、ちょうど人が減ってしまっていた経理に動くことになりました」
大学では商学部だったため、最低限の知識はあったものの、異動当初は戸惑いも少なくなかったと振り返る。
「同じ会社とは思えないくらい雰囲気も業務内容も違いましたからね(笑)。ただ、次第に昔いた部署の人が精算について自分のところに相談してくるケースも増えてきたり、必要とされている感じがしてきて嬉しかったのを覚えています。営業経験者がほかにほぼいなかったことが大きかったのかなとは思いますが」
そうして新たな部署に馴染んだ斎藤さんにまたも転機が訪れた。
「37歳のときに課長に昇進することになりました。さすがに同期トップとはいきませんが、上が詰まっているうちの会社では相当恵まれているほうで、年収も一気に2割ほど上がって900万円を超えましたね。営業マンとしてはいまいちパッとしなかった自分が同年代では上位の給与を得られていることには本当に感謝しています」
花形部署からは外れたにもかかわらず、30代後半にして同期を抜き返した斎藤さんの勝因とは?
「まずは希望通りの部署でなくても腐らず、きちんと前向きに仕事に臨んだことが何よりですが、異動先が経理だったというのもかなり運がよかったのではないかと思います。決して目立つ部署でないですが、専門性が高く、その部署で昇進するためにはライバルも少ないので、自らの価値を上げていくには実はとても好条件かと思います」(プロ経営者の出口知史氏)
業界平均を大きく上回る年収を現在も得ているだけでなく、経理はどの会社でも必要となる点も見逃せない。
「マネジメントスキルに経理経験、営業経験を兼ね備えた存在は希少性が高いので、ご自身の意欲次第ではさらに価値を高められる可能性もあります」(同)
価値向上のチャンスは意外なところにも落ちているのだ。
●斎藤さんの値段が高いワケ
会社の主役だけが高給を得るわけでない。地味だけど必要な部署で輝くことができれば昇進が早いうえに他社、他業界でも十分戦える
― 自分の値段を査定せよ ―
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